犬の目の病気:ブドウ膜炎症状診断と治療

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動物病院に「目が痛そう」とか「ショボショボしてます」という事で来院された場合

多いのは角膜炎(角膜潰瘍)や結膜炎ですが、見逃しがちなものにブドウ膜炎があります。

角膜炎や結膜炎の症状が良くなっても目の痛みや充血が治まらない場合実はブドウ膜炎が根本にある場合もあります。

名前からするとブドウ膜ってなんだよって感じですが、

目の虹彩(こうさい)、毛様体、脈絡膜(みゃくらくまく)の3つをブドウ膜と呼びます。

名前の由来は、形も球状で色も果物のブドウに似ているためブドウ膜と言われます。

そのブドウ膜が炎症を起こしたものがブドウ膜炎です。

症状

涙が多い、しょぼつき(羞明(しゅうめいとも言う))、目の充血、目の中に膿、元気がなくなる、食欲が落ちる、

目がピクピク痙攣しているようになる(眼瞼痙攣)、目の表面が濁って見える(角膜混濁)、結膜が赤い(炎症)、視力の低下

 

原因

目の病気とは限らず、実は体の違う部分での病気がブドウ膜炎を引き起こしている可能性があります。

感染症:ジステンパーウィルス、犬アデノウィルス、ブルセラ、レプトスピラ、リケッチア

寄生虫:犬糸状虫(フィラリア症)、回虫

免疫が関係しているもの:免疫介在性血管炎、フォークト・小柳・原田様症候群(全身のメラノサイト(色素細胞)が障害を受ける病気)日本犬特に秋田犬が多く、チャウチャウやボクサーなどがかかりやすい。

フォークト・小柳・原田症候群にかかった秋田犬。目の混濁と目の周囲の脱毛、鼻の色素脱色

腫瘍性:様々な癌で起こる(リンパ腫など)

その他:白内障、緑内障、糖尿病血小板減少症多血症、角膜潰瘍、強膜炎、網膜炎、視神経炎など

目の充血と角膜潰瘍、角膜の浮腫も見られる

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診断

診断はまず目の痛みや赤味がある場合にブドウ膜炎を疑います。

虹彩の癒着や眼圧低下、前房と言われる部分の濁り(前房フレアー)や沈殿物(前房セル)、角膜混濁、前房出血などがあればブドウ膜炎の確率が濃厚です。

そしてブドウ膜炎は目だけに限った病気ではなく、全身のどこかの炎症が目にも障害を与えている可能性あります。

できれば血液検査などを行い上記の原因を除外したいところです。

しかしながら実際犬でブドウ膜炎の本当の原因を特定することは難しく、治療を始めてから経過を見て、治りが悪いようであれば追加の検査をしていくというのが現実的です。

ただリンパ腫などの腫瘍によるものや、血小板減少症、敗血症、フィラリア症は命にかかわる病気なので、できるだけ早く診断をつけておきたいところです。

治療

ブドウ膜炎が上記原因のような病気から症状が出ている場合は、それぞれの病気を治しながらブドウ膜炎も治療しなければなりません。

ですが、実際には最初から病気を特定することが難しいことが多いので、基本的に使用する薬は炎症を抑えるものになります。

大きく下記の3種類に分けられます。

①ステロイド剤

②ステロイドではない炎症を抑える非ステロイド剤(NSAIDs:エヌセッズと読む)

③免疫抑制剤

炎症が軽いものは点眼で、重度の炎症や両目にブドウ膜炎が発症している場合は飲み薬も併用します。

①のステロイド剤は、ブドウ膜炎に最も効果があり、最初に使う薬です。

ただし角膜(上皮)の障害や角膜潰瘍になっている場合は、ステロイドの点眼はできません。

潰瘍を悪化させたり、感染を引き起こして重篤な状態になる危険があるからです。

最近よく使用する点眼薬は、ステロップです。

点眼液はだいたい3時間くらいで涙と一緒に流れて効果が落ちるので1日4,5回の点眼が理想です。

ステロイドの飲み薬は、傷の浅い角膜潰瘍や軽度の角膜炎なら使用しても大丈夫ですが、悪化してないかどうかは常に気を付けましょう。

②のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、ステロイドに比べると副作用は少ないのですが、その分効果は劣ります。

はっきりとブドウ膜炎と診断がついている場合はステロイド、予防や炎症の軽いブドウ膜炎にNSAIDsを使います。

*NSAIDsは何種類かありますが、その中でもズブリンが最も効果があったという報告があります。

③の免疫抑制剤は、長期に投薬が必要なフォークト・小柳・原田様症候群(ブドウ膜皮膚症候群)など免疫介在性のブドウ膜炎の症状が落ち着いた時の維持療法に使います。

シクロスポリン製剤のアトピカが副作用も少なく使いやすいが、値段が高いという欠点があります。

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